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「キャッシュレス・消費者還元事業」への対応状況について(2019年9月27日現在)

当社では,10月1日から実施される「キャッシュレス・消費者還元事業」への参加を申し込んでおりますが,実際にポイント還元が行われるようになる日は現時点でカード会社からも連絡を受けておらず(対応時期はカード会社やご利用形態によっても異なると考えられます),また,カード決済のしくみ上,個々の取引が還元の対象になるかどうかも判断できません(当社ではとても責任のある回答ができません)ので,ご了承の上ご利用ください.

現時点での対応状況の詳細は,概ね以下の通りです.(決済のしくみなどに興味のある方向けの内容かもしれません.いずれも当社の事例をもとに,当社で知り得た情報を元に作成していますが,個々の事例は加盟店の契約形態や決済方式,決済会社などによって大きく変わることがあります.1つの加盟店における現状としてご参照ください.)

そもそもクレジットカード決済は,カードの発行元(イシュア)と加盟店が所属するカード会社(アクワイアラ)が別々です(同じ場合もあります).加盟店は例えばVISAカードに対応するアクワイアラ(任意の1社)に所属すれば,VISAのマークの付いたカードなら発行元にかかわらず決済できます(図1).

クレジットカード取引が「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象になるためには,イシュアが事業に参加していることはもちろん,アクワイアラと加盟店の間でも,参加の手続きが済んでいることが必要です.この申し込みは所属するすべてのアクワイアラに申し込む必要があり,店頭と通信販売を併営する事業者では,それぞれ申し込むことになっています.

ここで,「アクワイアラとイシュアが異なるのにどうやって対象の取引を正確に見分けられるのか」という疑問が生じるのですが,政府の発表資料などを見る限り,すべての決済情報を1か所に集めて,対象の取引を抽出するような仕組みを作ったのだそうです...壮大なシステムが9か月で使い捨てになってしまうのはもったいないです.

ところが現在,加盟店の参加手続きに大きな混乱が生じているようで,当社ではアクワイアラへの申込みは7月(各社の受付開始時期と概ね変わりません)から始めたものの,現時点で手続が完了したとの連絡は,どの会社からも受領していません.一部のカード会社からは,「10月にはとても間に合わない」という連絡を受けています(図2).

9月中旬の時点で,政府が発表する「使えるお店」のリスト(6000ページを超えるPDFファイル)に当社の店舗名が記載されていることは確認できましたが,どのアクワイアラが登録したものかの判断はできません(目星くらいはつきますが).このリストは政府の手続きが完了したリストで,それを受けてアクワイアラでの最終的な手続が行われるため,この手続きに時間がかかれば,還元の対象とならない可能性があります.

カードの決済システム上,複数のアクワイアラに所属する加盟店では,取引がどのアクワイアラを経由するかを選ぶことができません(決済システムが自動選択します).特にVISA/Masterでは当社でも複数のアクワイアラを利用しているため,参加手続きが済んだアクワイアラを選んで決済することができません(図3).

さらには,アクワイアラごとの参加手続きやその後の連絡も,店頭・通信販売のどちらに関するものか書かれていなかったり,政府が発行する「加盟店事業所ID」の名寄せがうまくいっていないと考えられる事例もあることから,当社として「どのカードをどの形態で利用すれば消費者還元の対象となるか」について,まったく把握することができていません.

このため,お客さまには大変ご不便をおかけしますが,当面は「ポイントが付けばラッキー」という程度にお考えいただき,大変な混乱の渦中にあると思われるカード会社の方々のご苦労をねぎらいながらお待ちくださるようお願いします.